2011年02月24日

盤上のアルファ

神戸発!新人作家誕生。塩田武士(たけし)
「盤上のアルファ」講談社 ¥1,500 を面白く読みました。
盤上のアルファ
第5回「小説現代長編新人賞」を選考委員の満場一致で受章したと言う作品です。

神戸の新聞社の文化部で将棋担当記者の秋葉隼介(しゅんすけ)とプロ棋士を目指す真田信繁、ともに33歳と言う二人の出会いと一人の女性を軸に物語りは展開します。
盤上のアルファ

将棋には詳しくないものにも、一気に読ませる魅力が「盤上のアルファ」にはあります。
それは関西弁の持つ独特のニュアンスのせいもあり、「いてもたれ!」と扇子に書かれてる言葉や「おい、へたれ記者」など、ある種、胸のすく言葉が随所に出て来るところも親近感が持たれるからかも知れない。登場人物もけったいな人々が多く、最後ににはちょっとした仕掛けがあるのもエンターテインメント性があって、ちょっとあざといけれども痛快です。

書評には「荒削り」だとか「タイトルに必然性がない」とか「将棋場面をもっと多く」など見られますが、いずれも新人作家への期待度が多く込められています。

関学社会学部卒で神戸新聞社入社。1979年生まれの31歳。現役の記者。
秋葉隼介が自身の反映だとしたら、こんなこと書いてもいいのだろうか、と思わせる部分も多々あります。
神戸の町が頻繁に登場して、地元の人間には馴染みやすいのも神戸の書店で平積みしている所以でしょう。

第二章あたりから一気に読ませる魅力があるのは、著者・塩田武士の天性の才能かもしれません。
実姉はタレントの塩田えみさん。
今年の1月に単行本化されたので、まだ文庫本にはなっていませんが、神戸ファン、将棋ファン、関学OBには一度読んで頂きたい娯楽と文学が交錯するいい作品です。



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Posted by 李欧 at 18:44│Comments(0)BOOK
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