2009年02月01日
へー、そうだったんだ
「ノリタケ デザイン~百年の歴史~」展 (京都文化博物館)に行って来ました。
「ノリタケ・チャイナ」は「香蘭社」「深川製磁」「たち吉」などと並ぶ単なる陶器屋のブランドだと思っていたけど、ところがどっこい、この展に行って「へー、そうだったんだ」と認識を新たにしました。
その(一) 日本人初の海外貿易
明治9年(1876) 森村市左衛門・森村豊の兄弟が貿易商社「森村組」を設立。ニューヨークに輸入雑貨店「森村ブラザーズ」を作る。豊は福沢諭吉に英語を習ったそう。
いかにもアメリカ人が好きそうなエジプト模様のお皿など。
その(二) 手書きのカタログ・パンフレットを持ってセールスマンは営業に。
森村兄弟はノリタケの前身である「日本陶器(合名会社)」を明治37年に設立。緻密に描かれた手書きの「デザイン画帳」を持ってセールスに回ったり、逆に日本への製品オーダーにも「デザイン画帳」は利用された。
オールド・ノリタケと呼ばれる初期の製品群。
その(三) TOTO(東洋陶器)や高級な大倉陶園も元はノリタケの前身・日本陶器だった。
何事も100年続くと言う事は、それなりの歴史や重みを持つもので、皇室御用達の「大倉陶園」や水周りの「TOTO」も元は同じだったと言うから面白い。
その(四) 帝国ホテルを設計したあのフランク・ロイド・ライトがデザインしたノリタケチャイナ、OLD帝国ホテルのシアターレストランで使用されていた。(ライトは建築以外にも、円と幾何学模様を基調にしたアクセサリーや小物をデザインしていた)
陶器産地に近い名古屋の則武町に工場を作ったので「ノリタケ」と社名も変え、世界有数の食器メーカーとして「商業ベースに乗った」事業計画で発展して来てるそうです。
さすがに「製品」は売っていませんでした。名古屋の陶器のテーマパーク「ノリタケの森」に行けば「買う・食べる・体験する」が出来るそうなので是非一度行って見たいと思っています。
「ノリタケ・デザイン~百年の歴史~」展は3月15日まで(月曜休館)。
三条高倉の京都文化博物館で。075-222-0888